連載1「教えて、園長先生!」:「何でも自分でやりたがって大変!」
親の接し方や言葉のかけ方ひとつで、子どもの反応は変わる。
だからこそ、普段の子育てで「これでいいのかな?」って迷うこと、ありませんか?
そんな身近なお悩みをテーマに、保育の経験豊富な園長先生たちからヒントをもらうコラム「教えて、園長先生!」が新たにスタート。
今回は、子どもの主体性を伸ばす新しい保育スタイルで全国の保育園から視察が殺到している「認定こども園さくら」(栃木市)の堀園長にお話を伺いました。(聞き手:ここるく代表 山下真実、2児の母。)
■え?今なの?!そんな時に限って「自分でやりたい」が・・・
- ここるく会員には0~3歳の小さなお子さんを持つママが多いのですが、「え?今なの?!」という時に限って、お子さまが「自分でやりたい」モードに突入してイライラがつのってしまう、そんな声を耳にします。
- 自分でスプーンを持って食べたがる、バギーから降りて歩きたがる、エレベーターのスイッチを押したがる。そんな感じでしょうか?(笑)
- まさにそれです。
- どうしてそうなるかというと、子どもって日々「想像」しながら生きているからなんです。
例えば、大人は「食べる」という成果を得るためにスプーンを持つところからスタートしますが、子どもは「楽しそう!」「やってみたい!」などの「心の揺れ動き」から行動がスタートするので、スプーンを持ったことにワクワクして想像が始まり、舐めてみたり、すくってまき散らしてみたりとなるわけですね。
- 「お洋服が汚れる」「時間が無い」というのは大人の都合なのだと分かっていても、毎回それ全部に付き合うのは大変です・・・。
■「想像」から生まれる「ワクワク」が主体的な学びへと繋がる
- それ、すごくよく分かりますよ(笑)
僕達は園の生活の中で、子ども達がやりたいことを自由にやれる保育スタイルを実践しています。
子どもが「想像」というツールを駆使して「過程」を楽しんでいる時の「ワクワクの気持ち」。
この時の子ども達はエネルギーに満ちあふれていて、ものすごい集中力と吸収力を発揮するので、必要な知識やスキルをいとも簡単に身につけてしまうんです。
ワクワクに導かれて探求することが、主体的な学びにつながることを日々目の当たりにしながら過ごしています。
- まだ小さな赤ちゃんでもそれは同じということですね?
ワクワクを感じて「やりたい!」となっている姿は、自分の頭で考えていること、つまり立派な主体性の芽生えなんですね。
- その通りです。
「想像」は、これからの未来を生きる子ども達に求められる「自分の頭で考える力を身につけさせること」だと感じています。
「自分の頭で考える力」は、誰かに与えられた選択肢を選ぶのではなく、自ら選択肢を創って選ぶようになり、さらにその選択肢を組み合わせて新しい世界を切り拓くことができるようになる。人生が豊かになって、夢を叶えられるようになる、ということなんです。
- 2020年の教育改革の「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」で謳われていることはまさにそれですね。
■お家でも「やってみたい!」を叶えてあげよう
- 教育現場だけのことではなく、お家でも同じです。子ども達が「想像」のツールを楽しんでいるぞ!って大人が頭の片隅に置いておいてあげると、少しはその姿をのんびり見守って、本来の力を引き出してあげることができると思いますよ。
- そうですね!子どもが「やってみたい!」と行動できる割合と、大人が「こうやってちょうだい!」と子どもを行動させる割合が足して10だとしたら、子どもの「やってみたい!」の割合の方ができるだけ多い方がいいですね!
子ども達がワクワクの気持ちに正直に行動できる経験を繰り返すことで、それぞれの主体性が育っていくのだとしたら、その先の成長を見てみたくなりますね!
今回お話しを聞かせて下さった堀先生が園長を務める「認定こども園さくら」。
「子ども達がやりたいことを自由にやれる保育スタイル」とは具体的にどういうものなのか、実際に現地で取材してきましたよ!
詳しくは、日経DUALの連載コラム「未来へ続く保育」に掲載されていますので、ぜひ合わせてご覧ください!
>>>日経DUAL 連載:「未来へ続く★保育」子ども同士で問題解決!主体性を伸ばす保育園<<<
堀昌浩先生
認定こども園さくら(栃木県栃木市)園長
保育園、認定こども園、幼稚園という枠を越えて新しい保育・乳幼児教育の普及をさせるために立ち上げた「一般社団法人ラーニングジャーニー」代表理事としても活躍。
認定こども園さくら(栃木県栃木市)園長
保育園、認定こども園、幼稚園という枠を越えて新しい保育・乳幼児教育の普及をさせるために立ち上げた「一般社団法人ラーニングジャーニー」代表理事としても活躍。